ホームセンターがアメリカのトレンドに?おもちゃよりDIYを喜ぶ未来の顧客づくり
- Melissa

- 2月5日
- 読了時間: 6分
もしドライブ中に、子どもが「おもちゃ屋さんに行きたい」ではなく「ホームセンターに行きたい」と言い出したら——。それこそがLowe’s(ロウズ)が今まさに狙っている世界観です。
アメリカの大手ホームセンターであるLowe’sは、最近キッズ向けプログラムを大きく刷新しました。これは単なるファミリー向け施策ではなく、長期的なブランド戦略の一環です。

「今の売上」だけが目的ではない
Lowe’sはロイヤルティプログラムの再設計に合わせて、
店頭でのロリポップ・キャンディーの配布
無料のキッズワークショップの拡充
といった取り組みを進めています。現在は10歳以下が対象ですが、今後はティーン向けのより高度なDIYプロジェクトも検討されています。
狙いは明確です。
親を来店させ、店内滞在時間と支出を増やす
そして何より、幼少期からブランドに親しませること
子ども自身の購買力はまだ小さいですが、本当の価値が発揮されるのは数年〜数十年後。Lowe’sは「将来の主力顧客」を今から育てようとしているのです。
若年層攻略は子どもだけでは終わらない
Lowe’sの若年層戦略は、キッズ向け施策だけにとどまりません。同社は商品ラインナップを拡張し、Z世代・若いミレニアル世代に向けた訴求も強化しています。
SNSインフルエンサーとの協業
ブラックフライデーなど大型セールでの話題化
「DIYは難しい・高い」というイメージを払拭する見せ方
これらはすべて、「ホームセンター=大人向け」という固定観念を壊すための動きです。

厳しい市場環境の中での戦略転換
とはいえ、ホームインプルーブメント業界の環境は楽観できません。
パンデミック期に記録的成長 → その後は需要減速
住宅価格の高騰
住宅ローン金利の高止まり
アメリカの初回住宅購入者の中央値年齢は40歳(過去最高)
「リフォーム」は、食料品価格にショックを感じている消費者にとって、真っ先に後回しにされがちな支出です。
Lowe’sは今期売上を約860億ドルと予測していますが、パンデミック期の水準には届いていません。
競争環境とLowe’sの立ち位置
競合も非常に多い市場です。
最大のライバルは Home Depot
地域密着型のAce Hardware
さらに Walmart や Amazon も同カテゴリ商品を扱っています
ただし、アナリストの見方では、Lowe’sは今後1年でHome Depotより有利なポジションにある可能性があるとされています。
理由はシンプルです。
Lowe’sの売上の約70%はDIY一般消費者
Home Depotはプロ向け(請負業者など)比率が高い
最近は、高額なプロ向け工事よりも、低価格でできるDIYが再び人気を取り戻しつつあります。
「若年層をつかむ」ことは解決策になるのか
住宅市場の逆風、激しい競争、消費者の節約志向——これらを考えると、若年層への投資がすぐに業績を押し上げるとは限りません。
それでもLowe’sは、
子ども
Z世代
若いミレニアル世代
という**“次の30年を支える顧客層”**に向けた布石を打ち続けています。
この戦略がどこまで成果を生むのかは、正直まだ分かりません。ただ一つ確かなのは、アメリカの小売トレンドは「今売る」だけでなく「将来に選ばれる」ための競争に入っているということです。

アメリカのトレンドをMelissaの視点から

アメリカで生活してみると、日本との違いを強く感じる場所の一つがホームセンター。日本では、住宅の修理やリフォーム、車のメンテナンスといった家まわりのことは、専門業者に頼むのが一般的ですね。一方アメリカでは、蛇口の水漏れや壁のペンキ塗り、棚の設置、簡単な車の修理まで、「まずは自分でやってみる」という人が少なくありません。修理費用の高さや業者を呼ぶ手間といった現実的な理由もありますが、それ以上に「自分の家は自分で手をかけるもの」という価値観が根付いているように感じます。
そのため、アメリカのホームセンターは単なる資材の販売場所ではなく、知識を得て、やり方を学び、挑戦するための場所でもあります。店内の説明表示やスタッフのアドバイス、さらには子ども向けDIYワークショップまで含めて、生活インフラの一部として機能しています。日本のホームセンターが「便利な買い物の場」であるのに対し、アメリカでは「生活を自分で成り立たせるための拠点」としての役割がより強いように思います。
こうした文化的背景を踏まえると、今回の記事や動画で紹介されたLowe’sの取り組みは、越境EC事業者にとっても多くのヒントを与えてくれます。Lowe’sが子どもや若い世代に向けて体験の場を提供しているのは、今すぐの売上ではなく、「将来、何かを直す・作るときに最初に思い出されるブランド」になることを狙っているからです。
越境ECでも同じ発想が応用できます。単に商品を並べて価格や機能を伝えるだけでなく、「どんな人に向いているのか」「どう使うと生活がどう変わるのか」を丁寧に説明することは、アメリカ市場では特に重要です。さらに、アメリカの生活スタイルを正確に理解することも鍵となります。そもそも販売したい商品が人生・生活の中でどれほどの比重を占める性質のものかーそれは日本とアメリカでは大きく異なるからです。
今回の動画で印象的だったのは、子どもや若年層へのアプローチが長期視点で設計されているということ。越境ECにおいても、今すぐ購入しない層に向けた情報発信や体験設計が、数年後のブランド選択につながる可能性は十分にあります。アメリカ市場では、「売る前に信頼されること」「選択肢の一つとして記憶に残ること」が、長期的な成功を左右するのかもしれません。
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Melissa's Point of View
With my experience of residing in the U.S., one place where I strongly feel the difference from Japan is the home improvement store. In Japan, home repairs, renovations, and even car maintenance are typically handled by professionals. In contrast, in the U.S., many people take a “try it yourself first” approach—whether it’s fixing a leaky faucet, painting a wall, installing shelves, or handling minor car repairs. High repair costs and the hassle of calling a contractor certainly play a role, but more than that, there seems to be a deeply rooted belief that your home is something you take care of yourself.
Because of this, American home improvement stores are more than just places to buy materials. They function as spaces where people gain knowledge, learn how to do things, and take on new challenges. In-store signage, advice from staff, and even DIY workshops for kids all contribute to making these stores part of everyday life infrastructure. While home centers in Japan are often seen as convenient places to shop, in the U.S. they feel more like hubs that support self-sufficient living.
Against this cultural backdrop, the Lowe’s initiatives featured in this article and video offer valuable lessons for cross-border e-commerce businesses. Lowe’s investment in experiences for children and younger generations isn’t about driving immediate sales—it’s about becoming the brand people instinctively think of when they need to fix or create something in the future.
The same mindset can be applied to cross-border e-commerce. Rather than simply listing products with prices and specifications, it’s especially important in the U.S. market to clearly explain who a product is for and how it fits into daily life. Understanding American lifestyles accurately is also critical. The role a product plays in someone’s life—how essential or incidental it is—can differ greatly between Japan and the U.S.
What stood out to me most in the video was how intentionally long-term Lowe’s approach to children and younger consumers is. In cross-border e-commerce as well, providing information and experiences for people who aren’t ready to buy yet can meaningfully influence their brand choices years down the line. In the U.S. market, building trust before selling—and staying memorable as one of the options—may be what ultimately determines long-term success.
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出典: Why Lowe’s Wants Kids — and Gen Z — to Love Its Stores (CNBC YouTube)





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